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次期主力産業の国内運用業界に思うこと

日本は少子高齢化の長期見通しにおいて、製造業立国から次の、金融所得への依存度を高めようとするフェーズにあります。その中で第一次岸田政権発足時に掲げられた「新しい資本主義」は、目立ってませんがセオリーに則りあるべき姿をディレクションしています。戦後、製造業立国に適した封建的な社会、企業文化が形成され、ワークしてきました。現政権において、少子化や女性の社会進出など、時代の変化にあわせた企業の自発的改革努力を後押しする環境整備はなされ、13日に発足した第2次岸田改造内閣で地味であっても引き続きの取り組みが期待されます。


日本の証券市場、運用市場では、本邦大手資本、財閥系がシェアを握り、規制を通じた流通網、営業力の強さによるかと思います。その巨大資本において、プロダクトを生産する運用部隊は、人事面に欠点を抱えているとまま指摘されます。若かった自分に思い出されることとして、「同僚であり先輩のファンドマネジャー、哲学、信念を持ち、リスクを取る度胸を持ち合わせ、優秀だが一匹オオカミ的存在。それゆえに、組織での運用を目指す新任の上役とそりがあわない。ほどなく解任。経験の浅い後任が親会社から出向してくる、ふざけるな。日常的に新しい局面への対応を迫られ、胆力、経験を要するのが運用だ。組織での運用は会議のオンパレード、育成面、プレッシャーへの心理面などメリットはあるものの、ベテランの時間はさかれ、機動面、リスクテイクでデメリットも大きい。他業界とは違うんだ。集中力、精神エネルギーが命。組織が大きくなるほど組織を守るための行動規範が励行され、新奇に対するマインドを委縮させる」などです。今となれば新任上役の気持ちはよくわかり、かくいう自分も恩恵を受けていたことに気づくのですが、裏腹人事評価、実質的減点主義、事なかれ主義、パフォーマンスの見劣りをカバーしてしまう強い営業力などは外人勢に負ける根にあったと思います。


昨今の動きとして業界はガイアツ、自由化などにより切磋琢磨される環境へ向かおうとしているようです。海外ファンドのCEOが岸田首相と相次いで面会したとの報道がありました。日本の金融所得倍増計画において、最後的牽引をするのはプロです。企業文化に風穴を開ける流れは自発的に続くのではないでしょうか。内外問わず運用会社の運用力の向上は、少数のエリート資源によるレバレッジの効いた利益の源泉です。二宮金次郎的な勤労感はもちろん大事ですが、金融所得をめぐる空気を国是的に変えるには、個人レベルで、脳が足元の行動とすぐの損得を結び付けない、反応しないようにする金融教育を、とりわけ男性にする必要がありそうです。専門家の養成については、日本には例えば大学の単位に組み込まれるような、海外MBAのような投資プロ養成授業はあっても少ないと思います。伝統的機関、ベンチャーかかわらず実践的講義を増やし、競争させ、世間に認知させるPRが施策に考えられます。

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