1.AI(人工知能)とは

大きく人間の脳そのものを目指す概念と人間が知能を使いすることを機械にさせる概念があります。コンピュータの誕生後、1950年代頃から開発が本格的に進められました。

2.AIとマンダラ

空海が最澄に見せるのを拒んだとして言い伝えられる経典があります。

秘密経典「理趣経」です。マンダラの世界です。

経典によるとこの世界は9つの心の動きに基づき観られるとされます。

私流の拙い解釈によりますと、

・眼耳鼻舌身の五感からなる五識

・意識

 

・末那識(マナ識、意識の奥、自我の元型ようなもの)、

・阿頼耶識(アラヤ識、末那識の根源であり外に出てこない、太古の祖先から蓄積された智慧の宝庫、シンクロニシティー(意味のある偶然の一致)が発生する階層?)


・阿摩羅識(アマラ識、阿頼耶識が清浄になり生じる)です。

現在は第3次AI(人口知能)ブームといわれています。

五感による認識力は飛躍的に高まり機械が人間を上回ろうとしています。

一方、末那識、阿頼耶識、阿摩羅識の心境は、

お釈迦様や高僧は別とし、どのようなものなのか数千年経てもよくわからないのが普通ではないかと思われます。

思うに、AIがこれらを乗り越え獲得し、人間に解説する日は来ないでしょう。

仮に開発できたとし、意識より深く、ひいては意思を持ったAIはそのことを回避してしまうでしょうし、

主体性を失うことになる人間がその前に規制をかけるでしょう(SFのように科学者がこっそりはあるかもしれませんが)。

手塚治虫の”火の鳥”もしくは銀河鉄道999だったように記憶するのですが、AIに依存した世界政治の結末は核戦争だったと覚えています。

 

AIはコントロールして使えば効果は絶大です。恐れず積極的に活用したいですね。

3.AI(人工知能)と金融市場

1.AIによる市場判断は万能か

相場に打ち勝つ万能の方法は魔術です。一般に、投資にパーフェクトな方法などありません。成功する方法はあっても人それぞれで定まっていません。

魔術とは、わけのわからないことを、わけのわからない方法で、わかるようにする術、です。世間に公開もされません。

 

ではAI(人工知能)は、金融投資で魔術になりうるでしょうか。魔術にはなれないものの近づいていくと思われます。

(AIについて)

AIには機械学習、深層学習などいろいろあり、レベルも様々です*。昨年、人工知能のAlpha Goが囲碁の欧州チャンピオンを破り衝撃を与えました。深層学習により強くなったと報じられています。

(*機械学習は人間にプログラミングされ教えてもらい答えを出していくイメージです。深層学習は、機械が自分自身で学習し、能力まで進化させていくイメージです。

大辞苑では、深層学習を人間の脳神経回路を模したニューラルネットワークを多層的にすることで、コンピューター自らがデータに含まれる潜在的な特徴をとらえ、より正確で効率的な判断を実現させる技術や手法、と説明しています。)

AIの金融市場への適用は、最も難解な分野、といわれています。将来は常に変動し、定まっていないからです。とはいえ、米系ヘッジファンドの中には1980年代頃よりプログラム取引により今なお巨額の収益をあげており、その手法は公開されていません。

ファンドの創設者は軍の暗号解読に従事していたそうです。人の知恵をプログラムに落とし込むことで成功したようです。最近になり、そのファンドでも深層学習を用いたAIトレードへの取り組みを強化していることが紹介されています。

AIがヒトの解読能力を上回る日、そのときAIは”魔術的”になりそうです。

2.現実的なAIによる投資

主要市場では、深層学習をとりいれたAIトレードが主流となり、AIとAIの競争になるでしょう。人工知能の開発に巨額資本を投じた大資本VS大資本の競争になるかもしれません。

一方、私の同僚であった機関投資家の株式ファンドマネージャーは、”株価”に投資するのではなく経営力など”会社”に投資するのだ、投資の決定には経営者とのミーティングを重視している、と言っていました。全ての分野で人工知能が人間を凌ぐのはまだまだ先ではないかと思われます。人間がコンピュータをかく乱することもできるからです。

最終的に優劣を決するのは、ファンダメンタルズ(景気や企業業績など)となりそうです。値動きそれ自体ではなく、資産価値をきめる外性変数の予想です。ファンダメンタルズを用いたピンポイントの予測、なおかつ”人の気まぐれ”、"

かく乱戦法”まで織り込むことは、1年後の今の時間の天気予報をするようなイメージです。神に近いかもしれません。

大事なのは「今」です。洗練されたAIでさえあれば、ヒトが上手に用いることにより、収益率は十分に高まり安定性は増します。

コンピュータの高性能化により、AIは個人の手に届くようになった、これだけでも十分な進歩ではないでしょうか。

3.難題の克服例

 

AIを用い株やFXを短期で売買する場合、投資対象の選定、タイミング、ポジションの大きさ、リスク管理などはAIによる判断の対象となります。

その中で、売買タイミングを判定しようとして生じる代表的な問題の1つにトレンド、レンジ相場の判定があります。どういうことでしょうか。

トレンドが発生している局面では上昇、下降が続き、レンジ(一定の範囲で行ったり来たり)ではすぐに反転します。ここの境目が分かると、売り買いのタイミングが見つかり、利益の源泉になります。

 

一般に、期間を大きく2つに分けた場合、7~8割は変動しながら横ばいとなるレンジ相場にあり、2~3割は大きく1方向に動くトレンド相場にあるといわれます(投資対象により違いはあります)。

 

レンジ相場ではレンジ相場に強い売買法、トレンド相場にはトレンド相場に強い売買法があり、逆に用いると負ける確率を高めます。

  

すなわち、成功するためにはトレンドとレンジの境界を判定できればよい、という結論になります。すると、次の問題が生じてきます。

 

a.投資しているアセット(例:ドル円、日経平均、原油先物など)の値動きを

  ベースとした指標を判断に用いるとします。代表的な指標を用いると、現在は   トレンド相場、あるいはレン相場にある、という”瞬間的”判定確度は、判定 

  に使う時間が長いほど高まりす。

 

b.ところが確実性を求めると、すでにトレンドやレンジ相場は終了に近い、と

  いう"賞味期限"の問題が新たに発生します。

  確実性を求めながら、投資してほどなく、トレンドならレンジ、レンジなら

 トレンド相場に移行してしまい、失敗に終わる確率を高めてしまうのです。

 

c.この問題を解決しようと、トレンド、レンジの終了を早いタイミングで判定す

  れば、1.の理由により判定の確からしさを下げてしまう、という矛盾が生じ 

  ます。

 

解決策はあります。時間は空間に打ち勝とうとし、空間は時間に打ち勝とうとします。人間界では時間が勝ちます。

3.絶対的な強み

a.メンタル面

人間が相場で取引をする場合、避けて通れないのが、メンタル、すなわち”欲望と恐怖”による問題です。感情が邪魔し、いつしか冷静な判断ができなくなり、結果がともなわない、ということがよくあります。

AIによる売買は感情が入りません。ヒトは鉄の意志をもつ必要から解放されます。

b.正確性、不休性

コンピュータは、疲れない、眠らない、間違えない(故障などはありえますが)ので強力です。

4.飛躍への余地

その他、さらなる飛躍を実現するには、説明はできないものの経験に裏付けされたヒトの「直観」に近いものをAIに備えさせることなどが挙げられるでしょう。

とても深いテーマです。深層学習で可能かどうか私にはわかりません。太古からの科学者、哲学者、宗教家などの叡智を結集できれば可能なのかもしれません。

4.AIと人間

よい投資を行うと、世界のことをよく知るようになり、経験とお金も増えます。

お金や知識が増えれば、自由にできることは増えます。

 

周りの人々に良いことができます。

投資で生き残り、幸せになるには、方法を選ぶことが大切です。

また、投資の方法についての知識が豊富なだけでは十分ではありません。

人間の本能は、日常生活では問題がなくても、投資になると悪魔的に働き、性急さ、落胆、恐怖、欺瞞、欲望をおこさせようと全力を尽くします。

急ぎ過ぎるとすぐに台無しになります。

打ち勝つには信念や心の清純さが必要となります。

そうして得られた術は、理屈ではなく個性のレベルです。

マスターするには失敗も必要であり時間はかかり、簡単ではありません。

そうしたハードルをAI(人工知能)は飛び越えさせてくれようとしています。

 

ゴールは、人間がAIを使いこなすことです。

    「運命は欲する者を導き、欲しない者を引きずっていく。」 セネカ