ムーディーズ社が中国国債を格下げ
1.中国国債の格下げ
本日24日、格付け会社のムーディーズ社は中国国債Aa3からA1に格下げしました。発表されたプレスリリースによる見方はおおよそ以下のとおりです。
・政府による構造改革は、政府債務残高の上昇を遅らせても防ぐことはできない
・高齢化が見込まれる中、政府改革によっても、生産性が上昇することは今後見込めない
・高成長の維持を目標に掲げており、その達成のため景気刺激策への依存を高めている。
このため、政府債務は増加が見込まれる
・資本規制をひき国際金融市場から相対的に隔離されているため、急激なショックに見舞われ
る可能性は低い
・今後の見通しは、ダウンサイト、アップサイドリスクともにイーブン
ひとまず格付け見通しは安定的(当面変更はない)とされました。
2.市場の反応
発表後、日経平均は前日比プラスを維持しています。中国経済の影響を強くうける豪ドルが若干反応したものの、総じて影響はあまりみられません。
同社による見通しが安定的とされたことから、短期的に相場の見通しを変えるイベントにはならないでしょう。米中貿易摩擦による悪影響の可能性は見たところ触れられていません。
3.所感
長期的にみると、中国は貧富の格差が激しく、すべての国民が豊かになる前に人口ボーナス(経済成長に好条件の期間)が終わろうとしています。先をゆく日本との友好は、徐々にテーマになってくるのではないでしょうか。