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IMFが世界経済見通しを発表~低成長が中期的に続く

10月10日にIMFは四半期毎の世界経済見通しを発表しました。2024年の世界の実質GDP成長率を+2.9%とし、前回より0.1%ポイント下方修正しました。


中期的な見通しとして、5年後の経済成長率は同+3%前後としました。過去4半世紀の世界経済成長率は、中国、新興国経済がけん引役となり、平均的に+4%前後の成長率を達成してきました。今年の成長率鈍化は、先進国を中心としたインフレ抑制策、中国の成長率鈍化、米中摩擦の影響で貿易活動が抑制方向にあることなどが主な要因です。中期的に、中国に替わる景気のけん引役として中国の次の新興国が見込まれるものの、欧州経済の衰退を穴埋めできるほどではなさそうです。


インド、東南アジアは、世界の中で相対的な高成長を維持し続けています。世界経済の成長率モメンタムに中期的な停滞が見込まれる中、10年前ほどではないものの、アジア地域のプレゼンスは引き続き増します。


足元で中国不動産市場の悪化により、アジア各国への中国人観光客の出足は落ちています。とはいえ、人口ボーナス期を終えようとしている中国は、なお世界経済全体の成長率を上回っています。胡錦涛時代に訪れた中国のある地方政府では、海亀族と呼ばれる30代の海外留学帰国組が行政を取り仕切っていました。開発区、居住区、工業区などエリアを分けて合理的に今後の開発計画を説明して卒がなく、中央政府の高官も、話す内容に逐一無駄がなく、印象的でした。中国不動産市場は、国有企業、地方政府、銀行のトライアングルが固く、一部の地方でクラッシュが起きても、全体が揺さぶられることはないと見ます。


実生活において翻訳システムが進化し、スマホが使えれば他国人とストレスなくコミュニケーションが取れるようになりました。観光消費は、為替レートと一人当たりGDPとの相関が強く見られ、アジア各国の所得水準は持続的な上昇が見込まれています。アジア地域では観光産業、それを取り巻くIT、サービス、製造業などの需要は引き続き伸びそうです。

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