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世界経済~足元の景況感は二極化へ

主要国の政府・中銀は、断続的に経済下支え策を打ち出しています。最近の統計データは、中国が回復基調にある一方、欧米は厳しい状況にあることを示しています。こうした中、米国は対中半導体政策を転換したとみられます。

中国経済は想定以上に回復しています。4-6月期のGDPは前期比+11.5%と増加しました。工業生産が回復しており、輸出から輸入を引いた純輸出の拡大が牽引役となりました。外国人技術者優遇策などの政府支援策が実施される中、6月の半導体と自動車の生産量は前年同月比で二桁の増加となりました。

不動産、インフラ投資も回復基調にあります。GDPの2~3割を構成する不動産業の回復は、価格下落により値頃感が高まった住宅販売の堅調によります。家具、家電販売も好調に転じています。個人消費は弱いものの、輸出と固定投資が下支えし、世界に先行して回復基調にあります。

統計データから見た先行きの中国経済は、今秋以降のコロナ感染拡大が局地的に留まることを前提に、不動産市況の回復が低調な個人消費に波及し、回復基調を維持するとみます。

米国の4-6月期GDPは同▲32.9%減となり、個人消費、企業投資、輸出が総崩れとなりました。統計開始以来、最悪の結果です。ユーロ圏は同▲12.1%減となり、こちらも米国同様です。欧米ではFRB、ECBによる大規模、長期の金融緩和策が発表されました。米国経済について、年内は雇用、消費者センチメントの悪化が重石となるものの、大統領選を控えコロナ状況に応じて経済の下支え策が発動され、また大規模なロックダウンはなされず、緩慢な回復を維持すると考えます。

主要国のリスク要因は、コロナ・パンデミック、米中摩擦、自然災害、11月の米国大統領選などです。来年以降、米国の半導体政策により、中国経済が変調をきたすことがあるならば、欧州、日本、周辺国経済にも波乱要因となりそうです。中国は虎の尾を踏んでしまったのか、選挙を控えトランプ政権の打つ政策が注視されます。

短期的には厳しいものの、中・長期的には世界経済はいつも強いです。グローバル化の巻き戻しによる制約を受ける中、コロナ危機を契機とした生産性の上昇と新規需要の創出、すなわち、メディカル、自動運転、インフラ・環境投資、新しい生活、新しい楽しみ方などが新規需要として乗っかり、地域分散しながら世界、日本経済は回復すると予想します。

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