重要な数週間
ここ数週間は恐らく今年に入り重要な数週間となりました。G20 では日本が議長国となり、米中貿易戦争は一時休戦となりました。直近に米国FRBは利下げバイアスを強め、欧州のECBも連れるとの観測が広がっています。米株は利下げ期待で最高値を更新しました。
一方、中国では金融収縮により内陸部で景気が急減速しています。沿海部では工場が東南アジアなどへ海外移転する流れが続きそうです。その東南アジア、韓国でも要因は異なれ、景気は減速感を強めています。米国を起点とする金融緩和期待により全体としてみれば各国株価底堅さがみられるものの、今後は徐々に跛行色がでてくると見ます。
G20では暗号通貨も議題となりました。貨幣は文化固有の特徴を映します。米ドルは基軸通貨であり、米国のフェイスブック社が発表したリブラは、あるいは世界通貨に替わろうとしています。公的なものと私的なもの、男性的なものと女性的なものとの相克です。伝統を自然のものとする方が好調を維持するでしょう。リブラが国家的な役割を担えるか試されます。
日本では参院戦が始まりました。国内世論は将来不安への関心が強いとデータに示されています。人は深い水と炎の原の間に通る細い道を渡り遠い目標に向かい旅しているようなもの、と往生要集にあります。右手?は炎(欲望)、左手は深い水(恐怖)です。どちらに落ちても致命的です。源信は一心に念仏を唱え、菩提心を起こしなさい、地獄(等活、国縄、叫喚・・・無間)へ向かう悪行を戒め、他力でも自力でもよいので、深く信じ、誠を至し、常に念じ、一心に極楽へいくことを願いなさい、と言っています。
平安の世から形を変え再来した課題に、観察者としての人は時代を理解する眼を、政党は方向づける力が求められています。高齢化の必然により提出された課題は、社会保障とともに、そして社会保障によらず解決されようとしています。