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国際金融市場~当面波乱はなさそう

はじめて遭遇するもの意外なものに対し、たいがいは奇異なもの、とやり過ごされます。現状の延長線上でとらえられた後、規模・問題が大きくなり始めて、新しいこと、と認識されるのではないかと思います。

過去30年、1987年のブラックマンデー、1998年のアジア通貨危機、2008年のリーマンショックと、約10年周期で金融危機が発生しました。金融市場の欠陥、金融機関の暴走、政府による政策ミス、などが原因です。

リーマンショックから10年後となる今年8月は、トルコショックが発生しました。

トルコ大統領による、金融引き締めが必要な局面での経済成長を優先する姿勢や、中央銀行の独立性に対する信認の欠如、などが原因です。

新興国全体の経済のファンダメンタルズ、足腰はそれほど悪くない、トルコショックは特殊でその影響は限定的、世界危機には至らない、との見方が大勢です。

リーマンショック発生の1年前、2007年8月には仏系のパリバショックが発生しました。サブプライム問題の存在が明らかになったものの、事態の深刻さは認識されませんでした。

危機は見えないところから時間差でやってきます。グローバルなサプライチェーンを麻痺させる政策は世界全体から見て間違いと考えるならば、米中貿易戦争の死角はなんでしょう。

もしあるとすれば、私は中国の住宅市場ではないかと思います。

ただ今後2~3年以内に限れば異変は起こらないだろう、とも思います。

住宅市場のネガティブ要因は、

① 足元の中国株は貿易戦争を嫌気し下落基調が続いており、景気の減速を暗示している

② 経常収支の黒字縮小、赤字拡大は1~2年後の住宅市場に影響を与える

③ 貿易戦争をうけた工場の海外シフトは沿海部を中心に地価の押し下げ要因となる

などです。

一方、

今のところ米大統領は貿易戦争を仕掛けながら、全面的な世界経済戦争にまでは踏み込んでいません。配慮をしているように見えます。禁止は好奇心をそそらせ、反抗心を湧き立てます。

今週末24日の講演で、米大統領に近いとされるFRB議長はハト派的な発言をしました。

トルコや中南米新興国の通貨防衛にはプラスです。中国の住宅市場にもプラスです。人民元は米ドルにゆるくペッグされていることを通じ、米金融政策は中国の金融市場に波及します。

当面、中国政府も消費を持ちこたえさせるため、住宅市場の梃入れ策を実施するでしょう。

長期的には、中国の右肩上がりの住宅神話は、都市化の継続が根にあり今なお健在です。

日本では、日米貿易摩擦を経てバブル発生とバブル崩壊が発生しました。経験として貿易摩擦からバブルの発生・崩壊までかなり長い年月を要しています。

政策はイメージそのものではなく、イメージの可能性が遺伝していると考えられます。

今後どうなるか、引き続き米中要人発言が注目されます。

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