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活況の株式市場、開かれたインド太平洋

1.活況の株式市場

インドなどアジア諸国・世界の株式市場は活況を呈し、日経平均株価は26年ぶりの高値となりました。

紙上では日本の上場企業の業績の裏付けを理由に”バブルではない”との論評が紹介されはじめました。世界で美術品が高値で取引される、資源価格が上昇傾向にある、などバブルの兆候が散見されます。

経験則から市場は3~6か月以内に調整局面を迎えそうです。世界の流動性は潤沢であることから、過去3回10年周期が続く危機の発生は、やはり発生するものの今回は軽微となり、一時的、小幅な調整にとどまると見ます(感覚的80%)。目先のトリガーは北東アジア情勢です。リスクシナリオとし混乱が長引き決定的となればこの限りではありません。

2.開かれたインド太平洋

今月前半に米トランプ大統領はアジア諸国を歴訪し、海洋など法の支配を前提としたインド太平洋地域の秩序維持を訴えました。西欧の価値観に対し中国のそれは利、人を重視しています。

これまでアジアにおける米国権益の盾であったのは、政治情勢が安定する中、軍事もさることながらドル基軸の国際金融・貿易体制で恩恵を受ける”利”が大きかったのではないかと思います。

すなわち、米国優位の源泉は国際取引におけるドル決済の商慣行であり、ドル決済は原油取引がドル建てであることに依拠し、原油価格のドル建ては中東の安全保障によります。米軍は目先、中東での作戦計画を完了させ、計画に沿いアジアへ重点を移しました。

中国は新政権下で一帯一路を打ち出しAIIB(アジアインフラ投資銀行)を設立しました。ドル決済圏に対する挑戦であり、人民元決済圏が確立に向かうにつれ米国の覇権は下降し、中国は上昇します。一国一国オセロはひっくりかえります。仮想通貨は小口でのツールです。

AIIB設立に際し、欧州勢は中国と融和的となり、米国離れしていることが明らかとなりました。参加による利益が大きく、譲り新しいゲームでリードを狙う戦略もあるでしょう。

今後、米国はアジア・インド太平洋地域で覇権を維持するに際し、パリ協定離脱などもあり価値観の共有は柱としつつも不足がありそうです。新しい”利”を生み出すべき時が到来し、主要国間でしのぎが削られていると見ます。

価値の創出は、まだ世界の大勢が決定的となっていないと思われる領域、宇宙、サイバー、仮想通貨、AI普及などの国際秩序の樹立であり、コントロールする制度の確立と加盟であり、それを納得させる技術進歩と恩恵を供与することであり、そうして得られる汎用化とスイッチコストです。種の起源、ではありませんが生存競争では与えられるのではなく意思をもって国・地域間で連携し取り組みを加速させるグループは自ずと優勢となり、グループ内では強みを持つことが有利に働きそうです。

日本ではAI・ロボットを強化する流れが加速し、規制緩和と引き換えとなる教育により、金融で遅れをとりもどすことに期待したいです。

明治維新後にアジアの雄となったのは、文明開化、和洋折衷により先駆けたことが大きいと歴史で習いました。土台はアイデンティティーの強さ。

明治維新から約150年経過し、西欧のみならず世界人口(頭脳)の60%を占め教育水準の上昇したアジア諸国からいろいろ取り入れる必要は増しています。

言語の壁をAIが解消しつつあることは大きな恩恵であり、カギはそれ以外となりそうです。日本の魅力を増す観光立国化はこの意味でもよいことだと思います。自国を開くことは寛容の必要が分かれば比較的容易です。

先週17日に人づくり革命の実行が発表されました。地味である一方本質的な部分です。国政では長期で国会にとどまる公算が高い政治家を除き着手は敬遠されがちです。

教育改革の成果は約20年後に徐々に出現します。将来の日本にとり良かったと思います。

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