新政権発足と日本の金融市場
石破新内閣が発足しました。先立ち、石破自民党新総裁が決まると、円高、株安に市場は反応しました。石破ショックは新総裁が、日銀の金融政策の独立性を支持していたことや、金融所得課税に前向きと見られていることを市場が嫌気したと見られます。
こうした反応を受けてか、組閣後の石破首相は、「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」とコメントし、投資大国を目指す姿勢を示すなど、マーケットフレンドリーな発言で火消をし、足下は円安、株高方向に向かっています。
判明したことは、
①内外投資家は新政権の誕生をめぐり、日本経済の長期的な展望というよりは、目先の金融政策、税制などに反応している
②しかしながら、日本経済は長期的な視点で経済の最悪期を脱した可能性がある
まず、①は前段の通りです。②について、株式市場は、安倍―岸田路線が維持されている間は経済成長路線にあることを見込んでいます。日経平均株価に上下変動あったものの、上昇トレンドに大勢は変化なさそうな形となりました。相対的には中国ほか、韓国やアジア中進国の多くがこれから人口問題に突入していく中、日本は人口動態的に最悪と見られる2025年問題を、特段の混迷、暴動もない現状において、いち早くクリア―できそうな情勢にあります。
人口オーナスという重石は徐々に軽くなり、資産運用による産業界の活性化や個人資産の潤沢化が進む余地は、主要先進国より伸びしろのある強みがあります。欧米先進国、人口の若い国にくらべ、AI導入による労働組合との摩擦は、深刻な労働力不足に悩む日本は遥かに小さいはずで、開発というよりも、その運用面において、大きなビハインドを取り戻すことのできる環境にあります。
他国との比較で自ずと浮上する道筋に加え、生産性の向上により絶対的水準でも挽回可能です。
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