中国で全人代が閉幕


中国、欧州で発表された最近の経済データは急速な減速を示しています。世界経済における関心事の一つは、年後半に景気が持ち直すかどうかです。 世界経済全体は、米国の消費に下支えされており、雇用が悪くないことなどによります。雇用は遅行指標ですので、今後悪化しても後1年くらいは持ちこたえるのではないでしょうか。その間に、米中貿易戦争による悪影響が緩和され、もしくは中国政府による景気下支え策が奏功すれば、世界景気が持ち直す可能性は十分ありそうです。 中国では全人代が15日に閉幕しました。中国首相は景気下支えのため減税策など大型の財政出動を実施する方針であると発表しました。成長率は19年通年で+6-6.5%とする目標が示されました。 中国の雇用環境は悪化方向にあり、景気下支え策はコミットされていると思います。中国景気の底割れはないでしょう。一方、軟調な不動産市場が重石となり、年後半は横ばいで推移し、通年+6.1%で着地すると予想します。 全人代において対米関係では、米国の意向に沿う形で「外商法」が採択されました。法的には外資の技術を中国サイドへ強制的に公開させることが禁じられます。外から見て中国は譲歩したように写ります。 米国は中国の台頭を脅威と感じる一方、中国は米国がどうあれ国家主席が掲げる「中華民族の偉大なる復興」を堅持しました。これをもって韜光養晦(とうこうようかい)の復活との見方も報じられております。キリスト教的価値観が強い西洋社会は、白は黒なしに存在しえず、悪魔は聖者なしには存在しえない、であります。明快さは科学技術の進歩を促しました。対立、葛藤に耐えようとし、もしくは開放されようとする東洋思想は対極にあります。 中国は外商法により先進的な技術と技術開発基盤を保有する米国に譲歩したとし、これは目標が米国に打ち勝つことではなく、貿易戦争により経済が地盤沈下し、掲げる目標が達成できなくなることが悪であって、この目的のために譲歩することは悪ではない、ということだと解釈できます。 外商法一発で流れが変わるのかどうか、発表は自信の裏返しではないかということがよぎります。中国が恐れるのは、数字ではないでしょう。経済活動に向けたエネルギー、すなわち、現世で幸せを願う心、欲望、悔しさそのほかもろもろ心的エネルギー、これらに直結するバブル崩壊と自信の喪失だと思います。 東洋思想のタオ(道)ではありませんが、理念を堅くし、行動と忍耐の均衡を目指すとき、共時性は出現しやすく、遠い将来も近くで見ることができるといいます。拙く想像するに、予兆的に経常収支のプレッシャーに脆弱な周辺国で通貨の暴落が発生する、などが中国景気の共時性に該当するかもしれません。主導権を握る米が再利上げの姿勢を見せるかどうかにも影響されそうです。 仮に後手に回りバブルが崩壊したとし、一帯一路が止まるかどうかは、帯域国のインフラ向け投融資に充てられている人民元の価値の維持が大きな役割を果たしそうです。 中国の米国債保有額は、今年1月末時点で1兆1300億ドルと世界一を維持しています。昨年末から積み増しています。利は盾になります。


4回の閲覧

最新記事

すべて表示

混沌さを増す世界経済、日本での大嘗祭

11月発表の米国、中国、欧州、日本の経済統計データは弱含みました。中でも中国の主要経済指標は弱い内容となりました。 ・中国経済 中国の10月の固定資産投資は過去最低水準の低い伸びとなり、消費は自動車、家電販売の不振などで弱く、輸出は前年同月比でマイナスとなりました。 工業生産は自動車、スマホ、素材産業など広範囲で落ち込みました。不動産市場は局地的に曲がり角にあるようです。一方、優秀な先行指標である

世界経済、ラグビーW杯

1.世界経済は米中貿易戦争の影響により主要国経済指標の悪化が続き、悲観論が高まっています。 直近の米国上場企業の収益見通しが減益予想となる中、米株市場は悲観論と、企業業績の底入れ感が出はじめIOT産業が動きだし金融緩和に下支えされ持ち直す、などの楽観論が交錯しています。 米株市場はしばらく一進一退の展開が続くのではないでしょうか。転換点が訪れるとすれば、何か決定的な、例えば銀行融資総量規制

世界経済、自然との共生

世界経済、自然との共生 世界経済は米中貿易戦争の影響がじわりじわりと効き悪化方向にあります。 今年後半以降の景気回復は、各国政府、中央銀行の政策頼みの様相です。貿易活動の鈍化を世界的に内需で下支えする構図は、リーマンショック後の2009年と似ています。異なるのは、景気変動のスピード感です。国際金融市場では、悪材料一気に出尽くし、の方があく抜け感がでるものの、今回は期待できそうにありません。 香港の